みなかみ’s blog

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【デレマス:ネタバレ】魔法をかけきれなかった魔法使いと、魔法が解けたシンデレラ【6話感想】


 アニメ、アイドルマスターシンデレラガールズ第六話、「Finally, our day has come!」の感想、考察です。

 

※ネタバレを多く含みますので注意してください。

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 今回のタイトルをざっくり訳すと、「いよいよ、私たちの日が来た!」という意味です。これは恐らく、ニュージェネレーションズ(以下NG)メンバー3人(それか未央)が、初めてのミニライブに対して抱いている期待を強調しようとしたのかなと。

 武内PとNGのミニライブに対する認識の差がこの回で不幸な結果をもたらすことになると考えると、非常に皮肉なタイトルだなあと胃が痛くなりました…

 

・第六話の概観

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 第六話は、NGのデビューに対する陶酔と、武内Pと未央の衝突を描いた回でした。美嘉のライブで自信をつけたNGはミニライブに向けて期待を抱きつつ、さらなるアイドルデビューへの駒を進めていく過程がこの回では描かれています。藍子ちゃんのラジオに出演してCDデビューとライブを宣伝し、アイドル雑誌からのインタビューを受けたりと、NGは非常に滑り出しの良いデビューをします。NGは4話での成功と、この滑り出しの良さから作中高揚感にめちゃくちゃ陶酔していました。この陶酔を見たNGに対して自分はバカみたいに不安になったわけですが。

 そして、ミニライブの当日、彼女たち-特に未央はお客さんの入りに絶望します。未央は「何故お客さんが少ないのか」武内Pに詰め寄り、そして武内Pの発言に絶望してアイドルを辞めることを宣言してしまいます。こうして武内Pは大きなショックを受け、未央が抜けようとしているNGは崩壊の危機に瀕します。これが大まかな内容です。

 第六話では、NGのほかにアナスタシアと新田ちゃんからなるLoveLaika(以下LL)が同時にデビューしますが、LLはNGの対照的な存在として大きな役割を果たしていました。デビューに陶酔するNGとデビューに不安を持ち謙虚なLL、ライブの中で絶望しくすむNGとライブで輝くLL、ライブの失敗を嘆くNGとライブの成功を喜ぶLL。このように、NGとLLを比較してデビューにおける陰と陽を感じさせるような物語構成を第6話は徹底していました。これを通して、NGの異常な高揚と陶酔感を強調し、視聴者に対して不安を感じさせようとしたのかなと。そして、この不安感は武内Pに対するちゃんみおの詰問で現実化してしまいます。この演出は豆腐メンタルの僕には胃薬が必要なレベルでした。

 

・何故武内Pと未央は衝突してしまったのか?

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 武内Pとちゃんみおはある問題で衝突しました。これが表れているのは以下の未央と武内Pのセリフです。未央は、

 

 「お客さんめちゃくちゃ少ないじゃん!何で!?」 
 「前のライブと全然ちがうじゃん!」
 「もっともっと、前のライブと同じように盛り上がると思ったのに!」

 

  と、「お客の少なさ」に対して大きな不満を持ち、武内Pに対して理由の説明を求めます。そして帰ってきた武内Pの返答は辛辣なモノでした。
  

「いいえ、今日の結果は『当然』のものです。」

 

 このセリフを聞いた未央は絶望し、

「『当然』…ひどいよ…何で?、私がリーダーだったから!?」


 
 と激昂、アイドルを辞めることを宣言します。 「お客さんが少ない原因」に関するこの一連の問答から以下の重要な問題点が見えてきます。
    
 1.ミニライブの客入りに関する武内Pと未央の認識の不一致 
 2.「客入りが悪い理由(原因)」を、武内Pが『当然』という言葉を使って因果関係を説明したことで発生した、話し手の意図と受け手の理解の不一致

 3.武内P、言葉足りねえ…
 


・ミニライブの客入りに関する武内Pと未央の認識の不一致とは?

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  未央はミニライブに、美嘉のライブみたいにたくさんお客が入ると想定していました。一方武内Pはお客さんがたくさん入らないことを想定していました。この想定の違いはなぜ生まれたのでしょうか。以下は推測です。未央は、シンデレラプロジェクトに参加するまでアイドル経験がありませんでした。そのため、デビュー後の初めてのライブがどの程度の規模が普通なのかこの時点で全く想定できなかったでしょう。

 しかし、第4話で美嘉のライブにバックダンサーとして出演するというイベントが発生します。この時、ライブの規模についてイメージが持てなかった未央は美嘉のライブを通して、「ライブはこの規模が普通なんだ」と基準を自分の中で作り上げてしまったのでしょう。結果、ミニライブの規模と基準のライブ規模の乖離に未央は大きく不満を覚え、絶望するわけです。

  一方武内Pは、過去にプロデュース経験があるでしょうし、業界にある程度所属しています。そのため、初めてのライブがどの程度なのか経験則から把握できていたと思います。故に、詰問された際に「(このお客の入りは)十分です。」と未央に述べたのでしょう。しかし、未央が美嘉レベルのライブ規模を想定したとは考えていなかったようで、この後未央の発言を思い返して困惑するシーンがありました。このように、不運にも、未央と武内Pの間でライブ規模に関する認識の齟齬が発生してしまっていたのです。

 

・『当然』という言葉に込められた意味

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 武内Pは未央の質問に、『当然』という言葉を使って返答しました。 ここで、『当然』という言葉の意味を確認するために辞書で確認します。

[名・形動]そうなるのがあたりまえであること、道理にかなっていること。また、そのさま。   (引用元:デジタル大辞泉

 ここから、武内Pにとって「結果としてお客が少ないことは道理にかなっている」ということになります。それでは、武内Pがそう思った『原因』とは一体何なのでしょうか。先述のとおり、武内Pは経験則からこの結果を導き出したと考えられます。故に、「アイドルのデビュー直近ライブはこの程度しか人数は入らないだろう」という前提があったと考えられます。その思考の帰結として武内Pは『当然』という言葉を使って未央に答えを出したのでしょう。

 しかし、未央は、この前提を保持していないのです。そして武内Pはこの前提を未央に伝えていません。その結果、この言葉を聞いた未央は、「『自分』が原因で、結果としてお客が入らなかった、これは当然の結果だ」と解釈したと考えられます。こうして、武内Pは『お客が少ない原因はアイドルのせいではない。最初はこんなもんだ。』ということを十分に伝達できず、結果的に未央を『責めてしまい』、再起不能になりうる一撃を未央に与えてしまったのです。不幸な事故すぎる…

 

・まだ、魔法使いたりえていない魔法使い武内P

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 この出来事は双方の想定のギャップと、それを埋めることに武内Pが失敗したことで引き起こされてしまいました。そして、武内Pは同様の出来事を以前にも起こしています。
 そう、みくにゃんとの衝突です。武内PはNG・LLのデビューと自分がデビューできないことに焦燥感を覚えたみくにゃんと対立しました。この出来事も、武内Pが他のアイドルに今後の展開を説明しなかったことから、特に不信を覚えたみくにゃんが引き起こした事件でした。

 ここから、武内Pは圧倒的に「ことば」が足りていないことがわかります。アイドルたちの不安や焦りを埋めるために必要な「ことば」を彼はかけることができていません。現状、アイドルたちは成功するかどうかの生殺与奪を武内Pに与えています。故に、その対価として武内Pは営業といった努力のほかに、彼女らに夢や希望を与え続ける役割と必要を持っているわけです。故に彼女らに「ことば」を適切にかけることが、彼女らがアイドルとして大成するためには不可欠なのです。だから僕は武内Pを魔法使いと例えるなら、魔法は「ことば」であると例えます。アイドルたちはシンデレラになる前段階の「灰被り姫」ですね。

 武内Pは魔法使いとして、アイドルたち灰被り姫をシンデレラにするために魔法をかける必要があります。今後、武内Pがこの魔法を覚えることができるのか、どのようにストーリーが展開するのか、楽しみです。


・オマケ
 アーニャ相変わらずクソ可愛かった。同時に武内Pにご飯作ってあげたいという謎感情が生まれた。 Я люблю их.