みなかみ’s blog

忘備録と整理のために

笑っちゃうほどときめくBoy meets girl 、「Beatless」(1)

 赤々と勢いよく燃え上がる車と、花弁が、まるでおとぎ話のように咲き乱れる中、ある少年と少女が邂逅する。

 控えめに言っても美しい少女、まるでマンガの中からすっぽり出てきたような少女は、少年に馬乗りになり、告げる。

 

「アラトは私を信じますか。」

 

「遠藤アラト、私は、あなたに要請します。」

 

「私のオーナーになってください。」

           

                 * * *

 こんなBoyMeetsGirl、妄想の中ではあれども、現実にはない。現実にない、空想だからこそ魅力的に映るBoy Meets Girlを描いた作品。それが「BeatLess」です。

 平成24年10月に出版された本作品を購入して以来、分量の多さから全編読み切れず敬遠していたのですが、そろそろ読んでみようとふと思い。少しずつ読み始めています。

 「Beatless」装丁の裏ページに

「Boy meets Girl. This is beginning of your new life style with hIE. In our dreams from one hundred years ago. A story begins from here.(少年は少女に出会う。 これはhIEとの、新たな生活スタイルの始まり。 100年前からの私たちの夢。ここから、物語は始まる。) 」

 

と書かれているように、hIEと呼ばれるアンドロイドが物語の核となり、そして、少年が恋に落ちる物語です。

 

Beatless」の世界ではhIE(Humanoid Interface Elements)と呼ばれるアンドロイドが普及し、生活を補助するようになり、受け入れられています。その外見は人間そのものです。しかし、あくまで「モノ」であり、人権は認められていません。イヴの時間に出てくるアンドロイドに近い存在です。このhIEが、物語の核となり、登場人物たちを翻弄していきます。

 主人公は東京に住むごく一般的な学生、遠藤アラト。母親が出ていき、父親は仕事でめったに帰ってこないことから、一緒に住む妹と仲良く生活していました。性格はかなり直情的かつ素直、そしてかわいい女の子に弱い彼は、思春期の少年オブ・ザ・少年。一般的に私たちが思い描く、思春期の少年らしさを持った人物です。

 妹にアイスをせがまれた彼は買い物に出かけ、帰宅する際に不思議な出来事に襲われます。美しい花弁が空から降り注ぎ、周りの光景が、色とりどりのまるでおとぎ話のような光景に変化します。すると近くにいたhIEが不具合を起こし、自動車が彼に襲い掛かるなど、彼に危機が迫ります。

 そして、彼が死を覚悟したその時、目の前に薄い紫色の髪の美しい少女が現れるのです。そして彼を守ります。

 

 片手で黒い棺桶をぶん回すめちゃくちゃ美しい少女に。

 

 その少女はhIEであることをアラトは理解します。しかし「モノ」であるhIEであるとはいえ、彼女は滅茶苦茶可愛い少女。恋に落ちるにきまっとるやないか…。そして彼女はアラトに告げます。

 

「アラトは私を信じますか。」

 

「遠藤アラト、私は、あなたに要請します。」

 

「私のオーナーになってください。」

 

  最高かよ(半ギレ)。いきなり非日常空間に叩き落されて、そこでいきなりクッソ可愛い美少女に「あなたが私のマスターか?」みたいなこと言われてみたいじゃないですか!!!

 こんな感じで、中学校くらいに妄想したシチュエーションを最初にぶっこんでくるのが「Beatless」です。本当に、恥ずかしいくらいにカッコいいBoy meets Girl。シチュエーションだけでもおなか一杯になれるのですが、アラトの初々しさも、この物語を引き立ててるんですよ。

 アラトに比べて彼女の方が強いに決まってるんです。アラトが身の危険にさらされる中で、攻撃を受け止めたわけですから。それでも、「男だから、女の子をッ守るのが当然だ!」っていう思考を一瞬で行いますし、「女の子を疑うのがカッコ悪く思えた」と考えている彼は、本当に少年らしい少年です。「女の子」はゼッタイ。この甘酸っぱい思考は思わずニヤッとしてしまいます。でも、この少年らしさがアラトらしさであり、彼の核でもあるのです。カッコいいぞマジで。

 そしてアラトはオーナーになることを決意するんですが、その後、ものすごい破壊力を持った言葉を少女は綴るのです。

 

 「責任を、とってください。」

 

最高かよ!!!(ブチ切れ)

           

             *** 

 

 ここまでが第一章の中盤までの流れ。正直ここまででも濃密すぎて、甘酸っぱさでおなか一杯になれちゃいます。めちゃくちゃベタベタなBoy meets Girlを体現する「Beatless」ですが、少女が人間ではなくhIEである上に、クッソ強い能力を持っている時点で、何か裏があり、これから波乱が巻き起こることは目に見えています。

 非日常空間で、美少女と出会って、恋に落ちる。こんなべったべたな物語があっていいんでしょうか。

 

 僕は好きです(半ギレ)。

 

 これを読んでる時ニヤリとしてしまうことが多く、クッソ気持ち悪い顔をしているのですが、クッソ気持ち悪い顔にさせてしまう「Beatless」はそれほど甘酸っぱい物語なんだと理解していただければと。

 

 実はアラトが持つ強い少年性は、装丁表ページの英文にも表れていて、

 「I trust in your smile. I wont care whether you are soulless or not.(僕は君の笑顔を信じる。僕は君に魂があるかなんて、気にかけない。)」

 何この子、超カッコいい…

       

                 ***

 

 コツコツ読み進めていこうと思うので、適宜感想記事を書いていきますので、どうぞよしなに。